友達と夕ご飯を食べに行く。
 そのなかに一人、「あれ、これってティファニー? オープンハート?」っていうネックレスをしている子がいた。
 でも、私と職場も一緒(←出会いナッシング)で、職場恋愛しそうなタイプでもないから、やっぱり違うかなーと黙っていた。
 が、同じことに気づいた他の子が、直球勝負。
「それってプレゼント?」
 訊かれた当人は恥ずかしそうに「……うん」と頷く。
 お相手は、何とネットがきっかけで知り合った人なのだだそうだ。同じ趣味のサイトで知り合って、というパターン。
 ネット恋愛って話には聞くし、そういう形のはじまりもアリかなあとは思っていたけれど、まさか身近にそういう人がいるとは、正直びっくりでした。
 でも、幸せそうなので、良かった良かった。家も近いらしいし、カタイ仕事の人みたいだし。
 まあ、その子が選んだ人なら、間違いないかな、と。

 そんなこんなを話しながら、帰宅したのが10時ごろ。
 ちょうど家の駐車場に入ったところで、彼氏から電話があった。
 今仕事が終わって、でも明日会議があって、その準備でもう少し職場に一人で残るんだ、と。

「大変だね。なんなら応援に行きたいくらい」
 もちろん本心から言ったんだけど、いつもならそこで「いや、この時間に、女の子にこんな遠くまで来させられない」と来るはずなのに、沈黙。
「どうしよう、本当に来てって言っちゃいそう」
 なんだかちょっと深刻そうなので、私も、本当に行こうか、仕事を手伝うことはできないから、顔見て話聞くくらいしかできないけど、と訊ねてみた。
 彼氏は電話口で低く唸ったあと、
「……本当にいい? 来てくれる?」。
 私の家から彼の仕事場まで、1時間半。
 私が到着した時には、ちょうど彼の仕事も一段落ついたところだった。
 少し話して、片づけをして、ふらっと短いドライブをする。
「実は、2、3日前、別れる夢を見ちゃって。それで妙に不安になってて」と彼。
 そのときちょうど私も仕事が忙しくて、夜は帰宅後すぐに寝てしまっていた。メールが来ても返す余裕もなかったから、余計心配になっていたのだという。
「仕事中もイライラしたり、不安定で。こんな時間に呼んだりしたら悪いと思ったけど、我慢できなかった」
 そういう彼を前にして、ちょっとチーフのことを考えて浮かれていた自分を反省した。もちろん恋愛感情とは違うものだったけど、イイ気になってたのも確かだなと。誕生日にチーフからプレゼントを貰った、とか、そんな報告をしてたことも一因だったのかも。彼は、それについては何も言わなかったけれど。
 会ってしまえば、やっぱり私はこの人が好きなんだなと確信できるのに。

 ごめんね。

 次に休みが合うのは大晦日しかなくなるけれど、その時は2泊のお泊まり。私の誕生日のお祝いを兼ねて、レストランももう予約してあるからお楽しみに、という話をして別れる。

 大晦日まであと10日。それまでダイエットに励まなければ、と思う。

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