ISBN:4309015700 単行本 綿矢 りさ 河出書房新社 ¥1,000
芥川賞受賞作。買おうか読もうかどうしようかとずっとずっと悩んでいたのだけれど、えいやっと購入。読むのが遅い私なのだが、2時間ほどで読了。
感想は、えらそうなのだが「まあ、こんなもんかな」。さらさら読める。共感は得られない。でも主人公「ハツ」に対しては、イライラすることも、反感を抱くこともない。無難な等身大の女子高生像だと思う。でも、いまどきの(いまどきじゃなくても)クラスで浮いてしまった主人公に、昔からの親友といえども仲良くしてくれる相手がいるのはちょっと違和感。子供って、もっと残酷で、自分の保身に対しては敏感なものですよ。自らもイジメに巻き込まれそうな「危険分子」には、なかなか近づかないものです。そのへんは、少々ストーリーを動かしたいがための作者の計算が見えたかな。絹代の行動を読者に納得させるだけの、ハツの心の絆が描かれていなかったのが残念。
ちょっとキモ系の男の子「にな川」にいきなりキスしちゃったりする場面も、ハツは生真面目でおとなしい性格だって割にはやりすぎ感があった。でも、それはちょっとわかる気がする。自分より明らかに「下」のものだと認識すると、人間って大胆になれるよね。優越感から嗜虐心を刺激されたりするのは、わかる。
短いし読みやすいし、19歳で受賞はすごい。これからも彼女の本を読むことは……あるなら、私は図書館で借りるかな。
芥川賞受賞作。買おうか読もうかどうしようかとずっとずっと悩んでいたのだけれど、えいやっと購入。読むのが遅い私なのだが、2時間ほどで読了。
感想は、えらそうなのだが「まあ、こんなもんかな」。さらさら読める。共感は得られない。でも主人公「ハツ」に対しては、イライラすることも、反感を抱くこともない。無難な等身大の女子高生像だと思う。でも、いまどきの(いまどきじゃなくても)クラスで浮いてしまった主人公に、昔からの親友といえども仲良くしてくれる相手がいるのはちょっと違和感。子供って、もっと残酷で、自分の保身に対しては敏感なものですよ。自らもイジメに巻き込まれそうな「危険分子」には、なかなか近づかないものです。そのへんは、少々ストーリーを動かしたいがための作者の計算が見えたかな。絹代の行動を読者に納得させるだけの、ハツの心の絆が描かれていなかったのが残念。
ちょっとキモ系の男の子「にな川」にいきなりキスしちゃったりする場面も、ハツは生真面目でおとなしい性格だって割にはやりすぎ感があった。でも、それはちょっとわかる気がする。自分より明らかに「下」のものだと認識すると、人間って大胆になれるよね。優越感から嗜虐心を刺激されたりするのは、わかる。
短いし読みやすいし、19歳で受賞はすごい。これからも彼女の本を読むことは……あるなら、私は図書館で借りるかな。
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